札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「主イエスの家族とされる(マタイ55)」

更新日:2025.6.9

マタイによる福音書第12章46-50節

小林 克哉 牧師

この聖書の箇所にはイエスさまの二つの家族が出て来ます。一つは母マリアと弟たち、いわゆる肉親の家族です。血のつながり、愛着による家族です。もう一つはイエスさまの方から「わたしについて来なさい」と呼びかけ、イエスさまに従って来ていた弟子たちです。イエスさまが一方的に「あなたは家族である」と宣言してしまう人々です。
イエスさまは言われます。「そして、弟子たちの方を指して言われた。『見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。だれでも、わたしの天の父の御心を行う人が、わたしの兄弟、姉妹、また母である。』」(49-50節)
イエスさまのこの言葉の中に「父」は出てきません。なぜなら神が父であられるからです。イエスさまの十字架により罪赦され、神の御子イエスさまと一つとされることにより、わたしたちも父なる神さまに神の子として受け入れられるのです。神の救いの御心とはわたしたちを罪と死から贖い、神の子として永遠の神の国(神の家)へと受け入れてくださることです。
神の御心を行う者とは、イエスさまの十字架のゆえに神を父とし、神の子とされることだと言えるでしょう。わたしたちが神の子として立派になるからではありません。イエスさまの十字架のゆえに、一方的にただ恵みにより神の家族にしていただけるのです。洗礼はその恵みの出来事なのです。
イエスさまは決して肉親に冷たくされているのではありません。イエスさまは三十歳になってから伝道を開始されましたが、それはヨセフが早く亡くなり、母マリアと弟や妹たちを養うため大工として働かれたからだったと思われます。肉親の家族を大切にし、弟や妹たちが大人になるまで、メシアの働きの開始を遅らせたのではないかと思われます。イエスさまは大切な家族も<神の家族>の交わりへと招かれるのです。
ご復活のイエスさまは今も生きておられ、礼拝の真ん中にご臨在なさっておられます。そして指さしながら言っておられるのです。「見なさい、ここにわたしの家族がいる。」イエスさまの方からそう宣言してくださっているのです。イエスさまにより、教会は神の家族とされているのです。アーメン

(2025年6月1日礼拝説教より)

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