札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「イエスはだれに話しているのか」

更新日:2019.12.2

マルコによる福音書10章46-52節 (新約83頁)

田村 敏紀神学生

イエスは、「何をしてほしいのか」と言われた。盲人は、「先生、目が見えるようになりたいのです」と言った。

マルコによる福音書の1章から10章の間で主イエスが誰かと話した場面は、全部で46場面あり、その相手は①弟子たち、②特定の個人、③群衆、④敵対者の4グループに分けられる。弟子たちと話しているのが19場面、特定の個人と話しているのが14場面、群衆に語った場面が7、ファリサイ派などの敵対者と会話した場面が6である。特定の個人14人のうちの13人が、身体に障害を持っております。主は、健全者に対してではなく、障害者に話しておられます。どうしてでしょう。世の中に「100%健全者」など一人もおりません。私たちは、生まれたときは100%他者に依存している障害者でした。そして人生の最後も、寝たきりの障害者となって召されてゆくのです。障害者の人たちにのみ語っていると思われた主イエスの言葉は、実は私たちに語られていたのです。
重度身体障害者で、詩人の柏木正行さんは、今から40年ほど前の33歳の時、車椅子のままバスに乗ることを拒否されました。人間として生きたいと願った柏木さんはめげずにバス会社を説得し続けました。その願いは40年後の今、実現されています。道端に座って物乞いをしていた盲人バルティマイも柏木さんと同じく、「人間なんだ。だから、人間として生きたい」と思っていたのではないでしょうか。そのバルティマイの願いを、主イエスは掬いとってくれました。バルティマイの思いは、その場ですぐに主イエスに伝わったのです。それは今から2000年も前の話しです。

今、年齢とともに身体が衰えて来ると、主イエスの言葉が違って聞こえて来ます。「何をしてほしいのか」という主イエスの恵みの問いは、実は私たちに言われたものだったのです。「何をして欲しいのか」、主イエスは今も私たちに問うておられます。

(2019年11月24日礼拝説教より)

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