札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「お前はメシヤか」

更新日:2018.7.30

マタイによる福音書26章57-68節(新約P54)

牧師 米倉 美佐男

「生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子メシアなのか。」(63節)。

ゲッセマネの園で捕えられた主イエスは大祭司カイアファのところへ連行され、そこには律法学者たち長老たちが集まっていました。ユダヤ人最高議会(サンヘドリン)が招集されていたのです。それはイエスを裁く法廷でもありました。そこにイエスを見捨てて逃げ出した弟子のペトロが事の成り行きを見ようと屋敷の中庭に入り込み、下役と一緒に座っていたと記されています。ペトロは逃げ出してみたものの、後ろめたさと申し訳なさでそこにいたのです。

祭司長たち、サンヘドリンの議員たちは結論を持っていました。イエスは有罪で死刑、そのためにありとあらゆる手を使い、不利な偽証を求めたりもしました。偽証人は何人も現れましたが、もともとイエスには何の罪もないのですから証拠なし。ようやく最後の二人がイエスを「神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができる」と言ったと証言し、大祭司はイエスに「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」と問いますがイエスは黙り続けておられました。

「生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか。」(63節)。イエスはそれに対して「それはあなたが言ったことです。しかし、わたしは言っておく。あなたたちはやがて、人の子が全能の神の右に座り、天の雲に乗って来るのを見る。」(64節)。あなたの言った通りだと言います。大祭司はこの言葉を聞いて、祭祀服を引き裂きながら、イエスの発言を到底許すことのできない、もう証人の必要はない。有罪か無罪かと問います。みんなは口々に「死刑」と言いました。わたしたちは心に刻みつけたい、主イエスの沈黙と大胆なメシア宣言から本当に伝えるべきことは真のメシアがここにおられると言うことを。

(2018年7月22日礼拝説教より)

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