札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「目標を目指して」

更新日:2019.3.11

フィリピの信徒への手紙3章12-16節(新約365頁)

米倉 美佐男牧師

「わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕えようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです。」(12節)。

パウロがどうしてもフィリピの教会の人たちに伝えたかったことがあります。それは、私たちの求める信仰とは何か、そしてそれを求める信仰の姿勢とは何かです。どうしても彼はフィリピの教会の人たちにそれを共有してもらいたくてこの手紙を書いたのです。今、彼らにとって最初の信仰を取り戻すことが大事だと思ったからです。

フィリピ教会の問題とは今まで培ってきた彼らの良き信仰が敵対的ユダヤ人たちによって乱されてしまっていることでした。そのため教会員同士の間で不協和音が起こっていることでした。何故信仰がぐらついてしまったのか、それを修復するためには信仰の姿勢を取り戻すことから始める必要があると言うのです。

12節、15節に「完全」という言葉がありますが、完全無欠というより、信仰が成熟している者、あるいは信仰に立った大人という意味合いです。キリストに捕らわれていることを感謝し、真剣に追い求めるのです。だからまだ未熟でも、目的にまで到達してはいなくても心配はないというのです。なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けて、賞を得るために、目標を目指してひたすら前進するのです。パウロは言います。過去に縛られずに未来に向かって前進しなさいと。ただそれだけではありません。「後ろのものを忘れ」は、罪から解放される以前の生き方に戻るなとの勧告です。私たちはキリストによって罪を贖われたのだから、救いのゴールに向かって歩もうと。そのためにわたしたちは召されたのですから。

(2019年3月3日主日礼拝説教より)

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