札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「すべての人のために」

更新日:2013.8.5

ヘブライ人への手紙2章1-9節(新P402)

牧師:米倉 美佐男

「神の恵みによって、すべての人のために死んでくださったのです。」(2章9節)
今朝のメッセージは二つの点にしぼって見ることができます。一つは御子イエス・キリストの卓越性。一つはせっかく福音に触れて救われたのに困難な状況によってキリストへの信仰を放棄することの警告と信仰復帰への励ましがあります。「聞いたことにいっそう注意を払わねばなりません。そうでないと、押し流されてしまいます。」(1節)

一つ目の御子の卓越性を語る理由は「押し流されない」ためにでありました。古い律法は天使によって伝えられたのですが、神の救いの最終的啓示は御子イエス・キリストによって与えらました。それが福音です。福音の真理、教えは大事に聞かなくてはなりません。それはまさに信仰者にとって生き死の問題だからです。いい加減に聞いて押し流されることのないように。人生をすべってころんで失敗してはならないと勧告するのです。

二つ目のことは、置かれた困難な状況の中で与えられた信仰の目が曇り信仰の喜びが持てず、信仰を放棄するような誘惑に対する警告です。信じて祈っても世の中は少しも良くならない、伝道も進展しない。挙句の果てに疲れたから信仰は止めたという状況が昔も今もあるのです。最後に、著者は言います。イエスを見よと。主の十字架を仰ぎ見なさいと。栄光と栄誉の冠を授けられたイエスを見るのです。そこには生きるための死があります。私たちの死は終わりの死です。しかしキリストの死は私たちを生かすための始まりの死です。信じる者には罪の贖いを信じることが許されています。救いへの招待の分岐点はここです。罪を犯したまま死ぬことの恐ろしさが分からないからもうやめたと言えるのです。神の恵みによってすべての人のために死んでくださったお方が我らの主であります。ただ主のみを見つめて、主に従う者として生かされましょう。

(2013年7月28日礼拝説教より)

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