札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「神の光が射し込んで来た(マタイ⑦)」

更新日:2024.2.26

マタイによる福音書 第4章1-12節

小林克哉牧師

神の子メシアであるイエスさまは十字架で贖いの死を遂げるために来てくださったのです。しかしイエスさまはただ死なれるためだけに来てくださったのではありません。もしそうであるなら、ヘロデ大王の幼児虐殺によって死なれるのでもよかったことになります。イエスさまはもう一つ重大なことをなさったのです。
「そのときから、イエスは『悔い改めよ。天の国は近づいた』と言って、宣べ伝え始められた。」(17節)イエスさまは伝道のために来られたのです。イエスさまの伝道とは、神のもとから失われた者を捜し出し、神のもとへと連れ帰られることです。神の子メシアは天から来られ、ご自分の足で訪ね、呼びかけ、語られ、そして「悔い改めよ、向きを変え、神に帰れ」と言われたのです。
呉の教会で救急車を呼んだことがあります。急に様子がおかしくなった方があり、本人は大丈夫だと言うのですが、わたしの判断で救急車を呼びました。救急車が来るのがずいぶん長く感じられました。本当に来るんだろうか。救急車が到着、救急隊員がそば近くにまでやって来て、声をかけてくださいました。「もう大丈夫ですよ」。まだ病院に行って処置がなされたわけではありませんが、安心したのを覚えています。イエスさまは神のもとから失われた者のところへと訪ねて来てくださいました。そして「わたしが来たからもう大丈夫だよ」と宣言してくださるのです。
「暗闇に住む民は光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」(16節)闇に光が射し込んで来た。それはイエス・キリストによって、その伝道によってです。未だ闇がこの世界を覆っているように見えます。人間の罪の現実があります。争い、奪い合っています。未だ神の国は全き仕方で来ていません。しかしあのお方が来てくださったのです。神の愛と恵みの支配は始まっている。だから神の方へ向きを変えるのです。今日も、イエス・キリストはご自身の御体である教会を通してあなたのところに来て、呼びかけてくださっているのです。「悔い改めよ。天の国は近づいた」。アーメン

(2024年2月18日礼拝説教より)

前のページに戻る