札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「信じて帰って行こう(ヨハネ12)」

更新日:2022.1.26

ヨハネによる福音書4章43-54節 (新171頁)

小林 克哉 牧師

主イエス・キリストは「あなたの息子は生きる」と言われました。この御言葉は医者が病気を治すように主イエスさまが病気を治したという出来事ではありません。イエス・キリストにより〝命〟が与えられた出来事です。「イエスは言われた。『帰りなさい。あなたの息子は生きる。』その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰って行った。」(50節)この役人はイエスさまの言葉を信じたのです。愛し敬い信じるお方だからその言葉も信じたのです。
人は誰も神から「人の子よ、生きよ」と言われ、この地上に生を与えられています。神を知ると、その人は親から与えられた命が神からの命であることを知るようになります。聖書は更にもう一歩先を語ります。主は誕生の時とは別にもう一度「生きよ」と言ってくださる。この役人の子は生きる。神により創られた命から、神と共にある命、神に愛され贖われ神を愛する命に生きるようになるのです。
それまでとは違う別の命に生きる! それは神との深い交わり、神を敬う命です。この息子だけではありません。この役人もまた新しい命に「生きる」者とされたのです。「ところが、下って行く途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、『きのうの午後一時に熱が下がりました』と言った。それは、イエスが『あなたの息子は生きる』と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。」(51-53節)都合よく主を利用するような関係でない。主を信じ、その言葉を信じる、神の国で神と顔と顔を合わせてお会いする永遠の命、その命の交わりが始まり与えられるのです。
わたしたちももう一度、「生きる」と言っていただいているのです。わたしたちはいずれ地上の命を終え、神との永遠の命の交わりを与えられます。その神との永遠の交わりを今から「生きる」ようにされるのです。イエス・キリストを信じる者は死んでも生きるのです。今、主イエス・キリストを信じ主にある新しい命に生き始めているのです。主の言葉がわたしたちを造り変え生かしてくださるのです。アーメン

(2022年1月16日礼拝説教より)

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