札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「神の国を受け継ぐ」

更新日:2020.8.17

コリントの信徒への手紙一6章1-11節(新305頁)

米倉 美佐男 牧師

「主イエス・キリストの名とわたしたちの神の霊によって洗われ、聖なる者とされ、義とされています。」(11節)。

神の国を受け継ぐ、キリスト教会は最初から神の国を求めてきました。神の国とは神の支配されるところという意味で、マタイの福音書では天国と呼ばれています。教会は最初から神の国であり続けようとしたのです。しかるに昔も今も教会の現実の姿は実に危うい姿です。にも拘わらず教会は真摯にその求めをいかに時が流れても絶えず求め続けて行かねばなりません。

コリントの教会が、メンバーの中に不品行な者がいるのに除くこともしないで、見て見ぬふりをしていることは間違っているとパウロは指摘しました。さらにここでは教会のメンバーが教会内の問題を世俗の裁判に訴えたことを問題にしています。教会内の会員同士の争いは信仰上の大事な問題でないかぎり内内で解決すべきなのに、どうしてそうしないのか。そのくらいのことをする知恵も力もないのかと言っています。

パウロはなぜ聖なる者に訴え出ないで、正しくない人々(信仰のないという意味)に訴えるのかと言います。教会内の問題をこの世の法廷に持ち出すことは不適切だということです「正しくない者が神の国を受け継げない」(9節)と語られていることに着目しましょう。キリスト者としてのあるべき姿が何かが問われるのです。私たちは主イエス・キリストの名によってそして神の霊によって洗われ、聖なる者とされ、義とされたのです。即ち、洗礼を授けられ、自ら進んで主をイエス・キリストと告白し、そのことによって聖とされ義となり、キリストの者とされたのです。それによって、神の国を受け継ぐ者とされたことを思い起こすのです。

(2020年8月9日礼拝説教より)

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