札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「主の勝利により勇気を出しなさい(ヨハネ45)」

更新日:2022.11.11

ヨハネによる福音書第16章25-33節

小林克哉牧師

イエスさまは世では苦難があると言われました。〝世〟とは神に造られ存在しているにもかかわらず、神を知らず、神を認めず、神に背く世のことです。そこに生じる苦難があります。
病(肉体の問題)、老い(人生の問題)、争い(人間関係の問題)、貧(経済の問題)、人生の意味の喪失、死があります。キリスト者であってもなくても苦難があります。それとまたキリスト者ゆえの苦難もあります。キリストに従おうとしながら従えない罪の問題があります。時に迫害があります。信仰への無理解、非難を受けることが起こるのです。
しかしイエスさまはわたしたちに代わって、わたしたちのために、罪と死、悪と神に背く世に十字架で勝利してくださったのです。だから離反の罪で自分を責めなくてもいい。もう死の恐怖に打ちのめされなくていい。だからわたしたちは平和を平安が与えられるのです。
この「勇気を出しなさい」(33節)という言葉、「元気を出しなさい」とか「安心しなさい」とも訳すこともできます。嵐の湖で舟が沈みそうになった時、イエスさまは弟子たちに言われました。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」(マタイ第14章27節)嵐の中でも「わたしだ」、イエス・キリストが共におられるのです。だから安心できる。勇気を出せるのです。
イエスさまは祈りについて語られます。「その日には、あなたがたはわたしの名によって願うことになる。」(26節)絶望したら人は祈りません。わたしたちは苦難の中で祈ることができます。勇気とは祈りを失わないことです。一人一人の歩み、教会の歩みに苦難があり試練があります。しかし祈るのです。勇気を出して祈り歩んで行くのです。
ご復活の主イエス・キリストは世で苦難があるわたしたち一人一人に語りかけてくださっています。わたしたちの教会に、日本の教会に、神を認めず知らず背くこの世にあって苦難を抱えている全世界の教会に向かって語りかけてくださっています。「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(33節)アーメン

(2022年11月6日礼拝説教より)

前のページに戻る