札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「大工の息子」

更新日:2020.12.11

マタイによる福音書13章53-58節 「故郷にお帰りになった。」(54節)

米倉 美佐男牧師

アドヴェント(待降節)の第2週、クリスマスに向けて良い準備を献げましょう。私たちが救い主と仰ぐ主イエスは聖書では大工の子と呼ばれています。大工だったと記している箇所もあります。父ヨセフの職業を継いで成長されたのです。一家の生活場所はナザレ、そこが主の故郷です。
主は成人され、伝道活動へと旅立ちました。今日の聖書の箇所では活動の旅路を終えて故郷に戻り、そこで教えを説かれたのです。

その時、故郷の人々は喜んで主を迎えはしなかったのです。イエス様も昔なじみの人たちに伝道したのでしょう。故郷の人々も他の所でイエスが多くの人の病を癒され、奇跡を起こされたことは聞いていたのです。ところが故郷の人々の反応は一言で言うなら冷ややかでした。その教えに耳を傾けず、かえってつまずきました。もっともイエスの家族でさえ受け入れられなかったのですから、さもありなんです。

人々が受け入れられなかった主たる原因は、イエスの素性でした。両親もその兄弟姉妹もみなよく知っている。小さいころから知っている。それがいつの間にかあんな偉そうに会堂で語っているのか。どこでこのような知恵や力を得たのか。人々の関心事は目の前の真実を見る目、聞く耳より自分たちの考えや思いを優先したのです。故郷の人々はイエスの力を認めながら、展開されている真実は受け入れなかったのです。そしてイエスにつまずいた。意訳すれば罪を犯したのです。だから聖書は人々が不信仰だったと記しているのです。大事なことは真実を、真理を知って受け入れることです。アドヴェントの時、見るべきものをしっかりと見る、受け入れるべきものが何かを思いみる時といたしましょう。しっかりと備えましょう。

(2020年12月6日礼拝説教より)

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