札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「東方の学者たち」

更新日:2021.1.6

マタイによる福音書2章1-6節

米倉 美佐男 牧師

「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。」(2節)

2020年最後の主日礼拝です。先週はクリスマス礼拝、24日の晩はイブ讃美礼拝を献げることができました。来週は新年礼拝です。疫病によって今までの生活が一変しましたが一年間守られて礼拝を献げ続けることができ感謝です。
与えられた聖書の箇所は東方の学者たちが星を見て、遠い国からわざわざ救い主を求め訪ねて来た話です。クリスマスのテーマを「喜びを静聴す」としました。福音を静かに聞く時としました。今日は「見る」ことに焦点を当てます。

学者たちは星を見て何をしに来たのでしょう。彼らは何を見たのでしょう。星を見て異変を感じ、得ていた情報に従い遠路はるばる救い主を訪ねて旅をして来たのです。彼らは目的を遂げ、聖家族に出会い、幼子イエスを拝み、黄金、乳香、没薬を献げて帰国しました。ここには注意すべきことがあります。彼らは目的を叶え喜びに満たされて家路に着いたことでしょう。それに対し、ヘロデ王はじめエルサレムの人々は不安を抱きます。何故でしょう。自分の地位保全、上辺の安定を求めたからです。

ここに描かれる学者たちは異邦人です。ヘロデやエルサレムの民はイエスの同胞です。つまり同胞は受け入れず、異邦人が福音の恵みに与ったのです。求める者には誰にでも救いの恵みが与えられるのです。同胞という特権だけでは自動的には与えられないのです。クリスマスの恵みは聞いて、見て、求めて御子と出会えるのです。救い主との出会い。それがクリスマスの喜びです。その喜びは与えられた恵みを受け取ることのできる者にとっては喜びであっても、恵みを素直に受け入れることのできない者にとっては、ただ不安しかないのです。そのような喜びと不安が入り混じる出来事が、このクリスマスの出来事には秘められています。

(2020年12月27日主日礼拝より)

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