札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「洗礼者ヨハネ」

更新日:2016.1.25

マタイによる福音書3章1-12節(新P3)

牧師 米倉 美佐男

「わたしの後から来る方は、わたしよりも優れておられる。わたしは、その履物をお脱がせする値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。」(11節)

洗礼者ヨハネは預言者です。そのいで立ちは旧約の預言者エリヤの様でした。ヨハネは主イエスに洗礼を授けた人です。聖書によると彼の果たした役割が二つあります。第一は「悔い改めよ。天の国は近づいた。」(2節)とのメッセージです。二つ目は間近に迫ったメシアの到来に備えて人々を悔い改めに導くことでありました。

ヨハネと主イエスは共に同じ時代を共有する中で神の御支配の近いこと、終末的緊張感が感じられます。特にヨハネは11節で「わたしの後から来る方」、10節では裁きのイメージが間近にあることを語っています。ヨハネは自称メシアが多くいた中で、主イエスが約束された本当のメシアであると証言するのです。

最後に洗礼と悔い改めについて語ります。洗礼はキリスト教会がユダヤ教から受け継いだものです。ヨハネは水による悔い改めの洗礼を人々に施しました。その頃の洗礼は穢れを清めるために何度も行われましたが、ヨハネは一度限りの洗礼でした。洗礼は文字通り水で洗うことです、水で汚れを洗い清めるのです。ヨハネは罪の悔い改め告白した時に授けたのです。悔い改めについて申しますと、生き方を180度方向転換することです。神を信じない生き方から信じる生き方へと変えられるのです。悪いことをしたから懺悔するのではなく、生き方そのものを神に向かうことです。ヨハネのメッセージから聞き取るのは、真のメシアに身を委ねることなのです。

(2016年1月17日降誕節第4主日礼拝説教より)

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