札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「わたしの魂は主をあがめ」

更新日:2016.12.26

ルカによる福音書1章46-56節(新P101)

牧師 米倉 美佐男

「力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。」(49節)

アドベント(待降節)の第4週です。来週はクリスマス礼拝です。今朝の箇所はマリアの讃歌です。「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます」(47節)。讃歌は感謝、喜びです。心から喜べると人は感謝の気持ちで満たされます。けれどもマリアの喜び感謝は、自分の思いどおりに成ったから喜んでいるわけではありません。むしろ苦痛とさえ感じるような受け入れ難い知らせでした。到底喜ぶことなどできない事でした。

婚約はしたけれどまだ正式な結婚をしていない段階で子どもが与えられたという知らせを受け、さらにその子がメシアだと告げられたのです。戸惑うばかりの日々でした。しかし、マリアは受け入れ難い事実を冷静に逃げずに真正面から受け止め、主をあがめるという姿勢を確かなものとしたのです。本来目にかけて頂くことなどできないような存在の私にさえあなたは目を留めて下さった。私を必要として下さった。だからあなたを信頼できるお方として受け入れることができたという信仰の告白です。

その最大の原因は受け入れ難い事を告げられたその時は、驚き戸惑いましたが、私のような存在にさえあなたは目を留めて下さったからです。今後いつの世の人々もわたしを幸いな者と言うでしょう。それほど主がお与え下さった恵は大きいのです。あなたの憐れみ、大きな愛は永遠に信じる者に与えられます。権力に驕る者を引き下ろし、身分の低い者を高く引き上げ、飢えた者を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。マリアの讃歌は、主なる神の大いなる憐れみと深い愛が私のような者を生き生きと生かして下さるとの感謝の歌声です。み言葉に固く立ち
救いのみわざを心から喜びましょう。

(2016年12月18日主日礼拝説教より)

前のページに戻る