札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「わたしのもとに来なさい」

更新日:2014.11.25

マタイによる福音書11章28-30節(新P21)

牧師:米倉 美佐男

負いきれない重荷を負った経験をお持ちでしょうか。親しい者の死、老い、病等、人間関係の難しさ、生きる中で味わう様々な葛藤、苦悩があります。
主イエスはそのような私たちに向かって、静かにやさしく、時には鋭く語りかけます。
「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛(くびき)を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」(28-30節)。

「わたしのもとに来なさい」、主のもとに行くのです。それは神のもとに帰ることです。「わたしのもとに来なさい」、という主のご命令に従って主のもとに行く人は、神が自分のそばにいてくださることを知り、また自分が神の創造によって存在することを知るのです。そして自分の人生が神の配慮の内に在って守られていることを実感するようになります。

自分の力で必死になってもがいていた時には不運や不遇を他人のせいにし、自分を嘆き呪ったりしたのですが、主の招きに応えると、思い煩いから解放され、自分で何とかしようとする思いから解放され、主は必ず必要な解決の道をお与えくださると信じて前進することができるのです。「わたしの軛を負いなさい」、軛を負うことは、重荷が消えて無くなることではありません。今ある重荷を主が共に負って下さるという事実です。自分の力で何とかしようともがいていた時は何もできず、現実から逃げるのが精一杯でした。今は重荷を背負う勇気が与えられています。「わたしに学びなさい」、主の柔和と謙遜を身に帯び、主の招きを受けて主のもとに行くのです。

(2014年11月16日礼拝説教より)

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