イエスさまのところに悪霊に取りつかれ目が見えず口の利けない人が連れて来られました。イエスさまは神の霊により悪霊を追い出されます。その人はいやされ、ものが言え、目が見るようになりました。このいやしの奇跡を見た群衆は驚き、イエスさまがメシア・救い主であると言いました。ところがファリサイ派の人々は、イエスさまが悪霊の頭の力によって追い出しているのだと言ったのでした。
同じ神の御業を見ながら、イエスさまに対する全く違う二つの反応があったのです。イエスさまは、もし悪霊の力で悪霊を追い出しているのなら、それは内輪争いであり、サタンの国は成り立たないだろうと言われました。
聖書が悪霊とかサタンと呼んでいるのは、人間を神から離れさせ、神の愛と恵みのご支配から遠ざけるものです。それはわたしたちの外からやって来てわたしたちを支配しようとするものです。「神などいるはずがない！」「やられたらやりかえすのが当たり前だ！」「自分の利益だけ考えればいい！」それはひそかにわたしたちに近づいて来て、わたしたちの思いや考え、生き方を支配します。そのようにして神とその御業を見せなくし、神とその御業をほめたたえ証しする口を奪うのです。神の愛と恵みのご支配のうちに生きることから遠ざけるのです。
わたしたちは気づかずしてかもしれませんが、神とその御業が見えなくなっていないでしょうか。イエスさまは言われます。「しかし、わたしが神の霊で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。」（28節）
この人はいやされ、イエスさまにより罪赦され、神の愛と恵みが見えるようにされたに違いありません。永遠の神の国でそうであるように、神を礼拝しほめたたえたでしょう。わたしたちもそうです。神の国が今既に礼拝においてわたしたちのところに到来しているのです。御言葉により、聖霊により、悪しき霊が追い出されるのです。神とその御業を見、神をほめたたえているのです。アーメン